VMware Fusion for Apple silicon Public Tech PreviewでWindows 11を動かす

Apple Mac上で動くVMware Fusionは、現在バージョン12.2.1が最新だが、Apple Silicon(M1)で動かすことができるバージョンとして、Public Tech Previewというバージョンが2021年9月から無料で配布されている。

現在配布されているのは、ビルド番号18656771。

見た目は12.2.1と同等だが、Apple Silicon M1用のVMを動かすことができるとされている。

詳しくは、ブログ記事で紹介されており、ダウンロードもここから行うことができる。

ただし、Windowsについてはまだサポートされていない。

一応、Windows 11はインストールできるもののVMware Toolsも提供されておらず、ディスプレイ、ネットワークなどのドライバー類はマイクロソフト標準のため、何とかインストールできる程度。

UUP dumpから落として作成したISOイメージからWindows 11 build 22000.348を動かすことができている(でもストアが動かないのでダメダメ)

一応のWindows 11のインストール方法を記しておくと、VMware Fusion e.x.pをインストールしたら、

新規にVMを「カスタム仮想マシンを作成」を指定してOther 64bit Armで作成、CPUを4コア、メモリーは4GB以上を設定、ディスクは60GB以上のSATA、CD/DVDにWindows 11のメディアを指定して、ひとまずVMを作成する。

だが、このままではCD.DVDが認識されないため、起動することすらできない。

そのため、Finderでホームディレクトリの仮想マシンを開き、上記で作成したVMの「パッケージの内容を表示」させ、設定ファイル(vmx)をテキストエディット等で編集して、以下の行を探して修正するとWindows 11として認識されてCD/DVDとサウンドが認識され、起動することが可能になる。

guestOS = "arm-other-64"
                           ↓
guestOS = "arm-windows11-64"

TPMやSecureBootがない状態なので、インストール時にTPMとSecureBootの回避レジストリ指定をしてインストールを開始すれば普通にインストールできる。

VMware Toolsがないため、ディスプレイは1024×768でネットワークも使えない。

ネットワークについては、コマンドプロンプトから以下を実行して再起動することで接続できるようにすることはできる。

bcdedit /dbgsettings net hostip:10.0.0.1 port:55555
bcdedit /debug on

ネットワークは繋がるものの、どうしてもMicrosoft Storeを動かないので、まともとは言えない状態。

私は、22000.384を選んだがInsider Previewでもインストールは可能なようだ。

今のところはここまで、この先VMware Toolsがリリースされればできることも一気に増えることになるだろう。

もし、更新情報等ありましたら、コメントいただけると幸いです。

Windows 11 Insider Preview 22504.1010 on VMware ESXi No TPM Install Available

TPMプロバイダを持たないVMware ESXi 7.0.3でもInsider Preview 22504.1010はインストールが可能である。

ただし、以前のInsider Previewからのアップデートやアップグレードはできない。

つまり新規インストールを行うしか、今のところ方法がない。

アップグレードやアップデートの際は、TPMチェックが行われTPMが存在しない旨のメッセージによりはねられてしまう。→別記事で回避する方法を紹介している。

新規にインストールする際は、ISOファイルから起動した際にBypassTPMCheck=1により回避が可能なのでインストール自体はできる。

Windows Updateにより、次期バージョンにアップデートされる際のチェックを回避する方法が見つかっていない(少なくとも私は知らない)。→別記事で回避する方法を紹介している。

Windows 11 Insider Preview build 22504.1010 Released

22504.1010がリリースされた。TPMが有効なVMwareでは、アップグレードに成功する。

依然としてParallels DesktopやTPM2.0が存在しないVMでは、アップグレード不可。

UUP dumpでISOファイルを作成してインストールしない限りアップグレードすることはできない状態。

TPMなし/Secure BootなしでもWindows 11をインストール可能なUSBメモリを作ってくれるツールRufus ver.3.16(以上)

いままでTPM2.0やSecureBootが無い環境にWindows 11のインストールする方法を何通りか紹介してきたが、今回はインストール時に何の手間もかけずにISOファイルからインストール用USBメモリを作成してくれるツールを紹介する。

その名はRufus。いろいろなインストールメディア作成時に何度もお世話になったことがあるツールだが、マイクロソフトから純正のWindows 11のインストールISOファイルをダウンロードして、このツールでUSBメディアを作成するだけで、TPM2.0(1.2も要らない)やSerureBoot(UEFI)などをバイパス(回避)してインストールできるインストールUSBメディアを作ってくれる。

できるだけ高速な(でも古いPCでは2.0までかな?) 8GB以上のUSBメモリーをPCに差し込んで、

Rufusの最新版のダウンロードや使い方はこちらから行い、

Windows 11 ディスク イメージ (ISO) は、こちらのリンクからダウンロードして、

上記のRufus 3.16以上(最新は3.17)を起動してイメージオプションで
「Extended Windows 11 Installation ( no TPM / no Serure Boot )」を選ぶだけ。

これでほとんどのPCにインストール可能なWindows 11のインストールメディアが作成される。

あとは、そのUSBメモリーからブートしてクリーンインストールする。

ただ残念なことに、このメディアではWindows 10からのアップグレードには対応していない。

と書いたが、アップグレードしたい場合は、Windows 10側でブートしてそのままsetup.exeを実行して、以下の記事の「おまじない2」を実行するだけで、TPMやSecure BootなしのPCでアップグレードインストールができてしまうようだ。
このrufusを使って、最新のWindows 11 22H2でMBR(BIOS)版のブートUSBを作っておくと、どんなPCでもWindows 11のクリーンインストール/アップグレードインストールができるので非常に便利だ。

Windows 10からWindows 11にアップグレードしたい方は、以下の記事を読むとTPMやSecureBootに対応しないPCでもアップグレードが可能。

Windows 11 Pro 22000.282 on VMware Fusion 12.2.0 on macOS Monterey 12.0 Beta 10(21A5552a) on VMware ESXi 7.0.2 17867351

え~っと、複雑だが、
上記の画像は、Windows 11 Pro build 22000.282が動いている様子だが、実際には、VMware Workstation 16.2.0でVMware vCenter 7.0.3に接続しており、実際に動いているのはVMware ESXi 7.0.2の上で動いているmacOS MontereyのBeta 10の中でVMware Fusion 12.2.0をインストールしてその中にVMを作成してWindows 11 Pro 22000.282を動作させている様子。

VMware FusionもIntel版Macの上ではVMを暗号化することでTPM2.0を追加することが可能となっており、TPMを追加すればVM上のmacOS上でもさらにVMでWindows 11 Proがインストールできることがわかっている。

ただ、問題が無いわけではなくVM上でさらにVMを動かすとネットワークがブリッジでは接続できず、NATじゃないとうまくいかない。

因みに、VMの中のParallels Desktop 17は、もっとダメでWindows 11のインストーラすら立ち上がらない。
因みの因みに、Parallels Desktop 17.1.0でも動作は同様である。

VMware Workstation Pro 16.2.0で遂に「共有VM」が完全に消滅

16.2.0アップグレード後の環境設定画面
16.1.2の環境設定画面

ついに恐れていたその時がやってきた。
共有VMが完全にメニューから消えてしまった。

我が家では、この共有VMを利用して、vCenter、ドメインサーバを実現しているため、なくなってしまうと困ってしまう。
共有VMを立ち上げている人は、アップデート後は起動することはできなくなるため注意が必要。
まぁ、VMはShareフォルダにあるため、他のマシンに移動することは可能だが。

利用している場合、Ver.16.1.2で止めておかないといけません。気を付けられたし。

上記は16.2.0のリリースノートの一部

新機能も大したことないので、今のところ上げなくてはならない理由はない。

ちょっと気になるのは、アイキャッチ画像をよく見ると「ディフォルトハードウェア互換性(H):」のところに「Workstation Beta」というのが入っているのがわかると思う。
仮想ハードウェアに何か追加されたことになるわけ。
これが何なのかはまだわかっていないが気になるところ。

その後の調査で、一応はWindows 11サポートの準備ということが記載されていることがわかった。
が、しかし、Windows 11に関しては、14.xのころからTPMはサポートされていることから、何かバグフィックスが行われたのかもしれないが、まだ「準備」と書かれていることから必須のアップデートでではない。

VMware ESXiでのTPM 2.0の有効化方法(WorkstationやFusionも)

VMware ESXiでWindows 11をサポートするTPM 2.0を有効にするには、以下の設定が必要。

 ・VMware ESXiは、7.0u2a以上(ESXi単独では不可、vCenter必須)
 ・VMware vCenter 7.0.2以上が必要。
 ・vCenterでネイティブキープロバイダを有効にしてバックアップ済みであること。
 ・vCenter上でクラスタ(ESXiは1台でも可)を作成してその配下にESXiが配置されていること。
 ・仮想マシン(VM)は仮想マシンの暗号化が有効になっていること。
  (暗号化の条件は、UEFIが有効になっていること)

上記の条件が揃っていると、VMに「Trusted Platform Module」というデバイスが追加可能となる。

vCenter 7.0.3 18700403にてネイティブキープロバイダの設定画面を確認している図

vCenterのネイティブキープロバイダは標準機能、それをクラスタに割り当てると、配下のホストでVMが暗号化されていることを条件にTPMが追加可能となる。

(重要) VMのTPMは、ホストにTPMが実装されていなくとも有効にできるため、ESXiをインストールするPCに物理的なTPMを実装している必要はない。

ESXi 7.0.2 17867351上のWindows 11 Pro Release Build 22000.194にて、TPM 2.0を確認している図
TPM製造元はVMW

VMware Workstation ProでもTPMは追加可能で、バージョン14.x以上で仮想マシンの暗号化を有効にしていることを条件にTPMを追加することが可能である。
暗号化を有効にするためには、UEFIが必須だが、セキュアブートは任意(でもWindows 11側が必要)。

VMware Workstation Pro 16上のVMの設定画面にてTPMを確認している図
VMware Workstaion 16上での仮想マシン暗号化済みの設定の図

VMware Fusionも同様にバージョン12以上であれば、VMの暗号化を有効にすれば同じようにTrusted Platform Moduleを追加することが可能となる。

VMware Workstation Playerは、仮想マシンの暗号化とTPM追加ができないため単独では無理。

加えて書いておくと仮想マシンの暗号化は「共有仮想マシン(廃止予定)」に所属していないVMに限る(VMを暗号化してしまうと、共有に移行することができなくなる)。

それからもう一つ、仮想マシンを暗号化すると、ディスクのみならず構成ファイル(vmx)の中まで暗号化されてしまうのでエディタ等で直接編集することは出来なくなるので注意が必要(このページトップの画像内の最初の行を参照)。
さらに、VMの暗号化をしないとTPMが有効にできないということは、そのVMをどこかに移動したりする場合には、暗号化の解除を行わないとならないことになる。
暗号化の解除にはディスク容量見合の処理時間を要するようになる。つまりは使い勝手は確実に落ちることを念頭におく必要が出てくる。実際に100GB程度のWindows 11 Proを暗号化解除を行った場合、30分程度の解除時間がかかる。非暗号化のこのVMは起動できず、起動させるためには同じキープロバイダを持つVMクラスタに戻して、再暗号化が必要となる。

VMware FusionでもWorkstaionと同じで、暗号化が有効な状態では、Trusted Platform Moduleが追加可能となっており、追加を行えばたいていIntel MacではWindows 11はインストール可能である。

いまのところVMにWindows 11をインストールするなら、TPMを有効にするよりインストール時のチェックを回避(バイパス)した方が簡単で良い。現状ではTPMを積んでいないためにできないことが無いに等しいため(厳密に言えば、BitLockerが使えなかったり、PINコード、パスワードなどの生成メカニズムが変わるためセキュリティ面で弱くなるのだが、目に見えるところでの制限は今のところない)。

WM上のWindows 10をWindows 11にアップグレードするなら、

新規にVM上にWindows 11をインストールするなら、

上記のどちらのやり方でも、TPMをはじめ、CPU、メモリー、セキュアブート、ディスク容量などのシステム要件チェックが行われずWinfows 11にアップグレードもしくは新規インストールが可能。

vCenterの無いESXiでは、TPM2.0を有効にできないが、上記の記事でアップグレードか新規にインストールした後にWindows UpdateでさらにTPMチェックが走ってしまってアップグレードできないときは、以下の記事を参考にするとよい。

多少古いPCでも、Intel/AMDのCPUであればTPM2.0がなくても、問題なく最新のWindows 11(Dev版Insider Previewも含めて)にすることができている(多少手間はかかるが)。

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